著者 村上春樹
新たな知識を求めてこの本と出逢う。
最近村上春樹氏の本を読むことが多い。
そしてこの女のいない男たちは比較的新しい本である。
いちどは目に通しておこうと思いこの本を手に取った。
そして私はこの本を読み始める。
まず最初に出会った物語は、ドライブ・マイ・カーである。
物語を読んでいると、どうやら亡くなった妻の話がメインとなって出てくる。
亡くなった妻は他にも男がいて浮気をしていたと思われる。
そのことをつかんでいる旦那がその浮気相手の男と会話をする。
妻が亡くなった後の話だが、その旦那は何を求めて浮気相手との接触を試みたのか?
そして彼は何に満足したのか、何に?
それは、そこにあるのは人それぞれの受け止め方である。
どんな受け止め方をして、どんな感受を受け止めたのか?
そして、イエスタデイに話は突入していく。
幼馴染の二人に挟まれた彼。
彼は幼馴染の心境の変化を感じ取れる。
しかし、大事なことは幼馴染の二人が前に進む勇気を持つこと。
前に一歩、一歩を踏み出す勇気の大切さをこの小説は教えてくれる。
次は独立器官に入っていく。
壁を一枚挟んだ関係、踏み込まない関係にて、人間関係を形成していたが、ある日、一人の女性を本気で愛してしまった。
その事で、年齢を重ねた男性が悩み、苦しみを物語として描かれている。
適当に付き合ってきた罰なのか、人に相談する大切さを教えてくれているのか、それは人によって受け取り方が変わってくる。
その受け取り方が、小説の醍醐味。
たくさんの小説がある中で、たくさんの受け取り方があり、たくさんの物語が成立する。
まさに、小説の奇跡。
次はシェエラザードに突入していく。
性と生と犯罪、興奮具合は全て同じかもしれない。
いや、人によっては嫌悪感を抱くだろう。
そんな物語の話である。
そこに介護が連想されるが、そこはいかに。
読んだ人の、読者の物語となっていくのかな。
次は木野の世界。
ポイントが難しい物語。
そして、どうとも取れる話。
妻との別れは?
あの痣だらけの女性は?
そしてあのお客は?
掴みづらい話。
最後に女のいない男たち。
捉え方次第で物語が変化する話になるのではないかな。
この話をどう捉えて、どう解釈するのか、それは、読んでいる人の心次第。
反対に全く響かない事もあると思う。
こんな人生もある、こんな寂しさもある、こんな想いもある、人がいるだけ、その分だけの寂しさが存在する。
あなたにはどんな1行が届き、どんな言葉が残りましたか?
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