著者 小池真理子
新たな知識を求めてこの本と出逢う。
アーティストと聞けば、普通の人と感性が違う、そんなイメージがある。
日本国はどうしても平均的にアベレージ的に人を育てようとする。
だから日本人は人と同じでないと落ち着かない人が多い。
人と違う人は異人変人として捉えられる。
しかしその異人変人を超えてしまうとアーティストになってしまうのである。
そのアーティストの人々は憧れてしまう。
今回は辻堂環と言う画家のアーティストの話である。
このアーティストの男とどのような恋愛をしてどのような絡み合うするのかが話の焦点となってしまう。
このような本を書くと言う事は、そしてこのような本を読むと言う事は人は人と違うことに憧れを持っているのかもしれない。
憧れがあり道をはずしたいが守りに入ってしまい道をはずせない自分がいる。
これが現実ではないか?
これが現実だと思い込もうとしている自分。
果たして、それがいいのか?
それでいいのか?
でも答えにたどり着かない。
人間はこんなにも物事を深く考える生き物だということを改めて実感させてくれる。
物事を考えないで生きていくということがとても羨ましく思えるが、その反面寂しくも思える。
私たち人間に与えられた1つの能力が物事を考えるということである。
そして芸術と言うアーティストにあたり、私たちを魅了されてゆく。
他人が作ったアートに感動して、心打たれる。
そのアートを作るアーティストに溺れている。
アーティストが死んだ日に数々の女性がそのアーティストを思い出す。
死ぬときに思い出される人間なのか?
寂しく死んでいくのか?
どちらが正しいのかを考えても、どちらが正しいわけではない。
自分自身が何を望んでいるのか、そして望んでいたことを達成したのかである。
人は寂しさを埋めるために人と一緒にいるのかもしれない。
あなたにはどんな1行が届き、どんな言葉が残りましたか?
天才洋画家、辻堂環が死んだ。天衣無縫の彼の生涯は、無邪気に、奔放に、女たちの心と身体を求めることに費やされた。恭子、弥生、杳子、志保子、千里、美和子……かつては環との蜜月に溺れた、さまざまな境遇の女たち。訃報を聞いた彼女たちは、それぞれの記憶の襞に刻まれた、狂おしいまでの恋心を甦らせるのだった――。無垢な欲望に身をゆだねた、六人の女の六つの恋のかたち。
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