著者 桜木紫乃、花房観音ほか
新たな知識を求めてこの本と出逢う。
過去に愛した男、過去に愛した女。
十数年ぶりの出逢い。
愛した人はもういない。
心的には。
身体はあるけど。
セックスはできるけど。
精神的にはむすばれない。
なぜなら 十数年前に終わったからである。
恋という思い出!
愛という思いで!
あなたは過去に何を求めるのか?
息子と愛し合い、父親と愛し合い、どちらに結果を求めるか?
そこに愛はあるのか?
本当に愛してるのは本命 それとも浮気相手。
いざという時に本当に好きな人がわかる。
ピンチの時に誰かにそばにいて欲しいか?
それが答えではないか?
心の恋人!
プラトニックsex。
こころを満たすそう、あなたと共に。
あなたにはどんな一行が届き、どんな言葉が残りましたか?
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溺れたい。それだけなのに――。
かつて駆け落ちをはかった男の身体を求めながら、娘への虐待を繰り返す女。
ストーカーに怯え、別れた恋人の部屋に飛び込むアラフォー独身女。
元夫からの養育費が途絶え、現実逃避を夢想する母親。
妖僧に惑わされるイケメン修行僧……。
人生の「果て」に直面し、夜の底で求め合う女と男の、切なく狂おしいまでの
生と性を実力派女性作家が濃密に描きだす、7つの物語。いきなり文庫。
【収録作品】
■エデンの指図 桜木紫乃
■天国の鬼 宮木あや子
■髪に触れる指 田中兆子
■嵐の夜に 斉木香津
■紅筋の宿 岡部えつ
■南の島へ早く まさきとしか
■海の匂い 花房観音
「あんた、女にもてますやろ! 」
秀建が急に眼をかっと見開いて、高く叫ぶような声を出したので、伸也は戸惑った。
「……いえ」
「嘘つきなはれ! こんなイケメンの男前、女がほっときまへんわぁっ!!」
本山の敷地の中の事務所の応接室で秀建とふたりきりで向き合っている伸也は、
故郷の隣村から出た有名人である僧と対峙して、その態度に戸惑っていた。
秀建さんは、隣村の人やから、何かと世話になりや。仏さんのことも
世の中のこともよぅ知ってはるし、ええ人やから――
そう、住職に言われて挨拶に来たのだが、いきなりこの俗物ぶりを隠さない様子は、どうだ。
(「海の匂い」本文より)
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