著者 二宮敦人
新たな知識を求めてこの本と出逢う。
学校裏サイトの感想にて。
学校裏サイトは本当に存在するのであろうか?
でもこのようなものでいじめが助長されたりすることが事実である。
このようなサイト作るのは誰なんだろうか?
やはりクラスメートの誰かであろう。
家に引きこもった子が作るケースが多い。
目的は何であろうか?
クラスメートの情報収集であろうか?
ほとんどが部外者が入れないようにパスワードを設定されていたり、携帯電話からのアクセスしかできなかったり、学校名で検索してもヒットしないようになっており、そのため検索などで探し出すことが簡単ではない。
だから中々なくらない。
そしてこの小説はその学校裏サイトを題材として描かれている小説である。
主人公の『サツキ』が推理力でこの問題を解決してゆく。
普段から転校が多いために本を読むことが多いので推理力があるのではないかというふうな匂わせ方もされている。
そして名前だけではわからない、呼び方だけではわからない、学校での関係性を追っていかないと解けないパズルである。
最初のターゲットは『ヨウコ』である。
ここには見た目と言うコンプレックスをついた整形と言う誹謗中傷が生じる。
次は『トモミ』である。
ここは援助交際を匂わせる誹謗中傷が生じてきている。
そして残念なことにこの小説の中でトモミが自殺をする。
しかしここで言う意外な事実も出てくるまゆりは実はトランジェンダーであった。
社会的問題をここにも潜り込ませている。
ただ小説を楽しく読むだけではなく社会問題をいかに考えていくか?
このへんも遠回しに面白い小説となっている。
ただ内容を読むだけではなく知恵がつく小説それがとても良い小説のことである。
よってこの小説は所々に社会問題を潜り込ませている。
どちらかと言うと学生向けの小説であろう。
今の時代はとにかく自分の発言を聞いてほしい、自分の発言が全て正しい、自分を理解してほしいと言う、自分方位の考え方で世の中が溢れかえっている。
そこに犯人は暗闇を感じている。
もっと他人のことをわかろうとしなければいけない。
もっと他人の言葉に耳を傾けようとしないといけない。
皆が住みやすい街にするために、皆が住みやすい国にするために。
自分本位の考えを止めるべきである。
他人の言葉に理解しようとする気持ちが大切である。
この小説を通してそのような気持ちを持つ人間が少しでも出てくるのであれば日本の国の将来は明るくなるかもしれない。
とそこまで考えるような小説かどうかと言われると?がついてしまう。
誹謗中傷、いじめなどがこの世から無くなってくれると嬉しいのだが、先の長い戦いになりそうである。
少なくともこの本を読んだ読者からこのようなことがなくなっていけば楽しい世の中になりそうだか…。
あなたにはどんな1行が届き、どんな言葉が残りましたか?
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