2019年12月22日日曜日

正しいストーカー殺人 警部補

正しいストーカー殺人 警部補


映画とドラマの「ストロベリーナイト」でおなじみのベストセラー警察小説〝姫川玲子シリーズ〟のオリジナル短編。ヒロインの姫川玲子は警部補で、警視庁の花形である捜査一課殺人班の主任という役どころ。姫川班の面々が今回担当したのは、都内で発生したストーカー殺人(?)事件。特別捜査本部の設置からわずか三日という速攻で確保された被疑者は、37歳の女性・丸川伊織。被害者の28歳の男は、丸川の住むマンションの4階と5階の間にある踊り場から転落死した。丸川の供述によると、十日ほど前から見知らぬ男に尾け回されていて、とうとう直接、襲ってきたので抵抗したところ、誤って突き落としてしまったという。暴力を振るうストーカーが、見事に返り討ちにあった、という事件の経緯に姫川は疑問を抱く。丸川の容姿を一瞬、目に留めた姫川に直感が働いたのだ。丸川はストーカーされるような女なのか? 簡単に見えた事件の真相に、作家の巧知が冴える佳編。

誉田哲也(ほんだ・てつや)
東京都生まれ、学習院大学卒。2002年、『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞してデビューを果たす。2003年には、長編『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。「ジウ」シリーズ(2005~)、ドラマと映画にもなった『ストロベリーナイト』を筆頭にした〝姫川玲子シリーズ〟(2006~)の二つの警察小説で一躍、ベストセラー作家として名を成し、青春小説『武士道シックスティーン』(2007)に始まるシリーズでさらに多くの読者を得た。シリーズ外の近刊に、『ケモノの城』『黒い羽』『プラージュ』等がある。



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